立川市の高齢者福祉の取り組み│東京26市│自治体│高齢者│福祉

「多摩の中心で、暮らしが動く——立川市という都市」

緑が多く暮らしやすい立川市。
東京都民の自治体評価でもトップ10前後といった評価を受けており、住みやすいエリアです。 高齢化率は全国平均よりやや低いものの、立川市の高齢者の割合は4分の1近くといわれており、今後も高齢化が進むと言われています。
都市部で高齢者人口が増加している社会全体の傾向を反映していると言えるのではないでしょうか。
この記事では立川市の高齢者福祉の取り組みと現在の立川市の高齢者の割合や地域での支援についてまとめました。

立川市の地域性と特徴

立川市は都心へのアクセスがよく、市域内の住民サービスだけでなく、周辺自治体の住民も利用する行政・都市機能を集積させてきました。立川市は単独で完結する基礎自治体でありながら、実質的には多摩地域全体を支える「準広域拠点」としての性格を持っています。

人口規模と昼間人口の多さを背景に、医療、福祉、防災、子育て支援などの分野で一定の拠点性を持っています。特に防災や危機管理の分野では、広域的な連携を前提とした機能配置が進められており、立川市は多摩地域における行政ネットワークの要所として位置づけられています。
これは、自治体単独の施策にとどまらず、周辺市町村や東京都との協調を前提とした自治運営が求められていることを示しています。

立川市の高齢者の比率

立川市の高齢者の比率について、最新の自治体データ（令和5年･2023年時点住民基本台帳に基づく統計）では、65歳以上の高齢者が総人口の約24.8％を占めています。およそ４人に１人が65歳以上の高齢者という状況です。
また、75歳以上の割合も約13.8％にのぼっています。高齢化率は今後も上昇すると見込まれており、将来的にさらに高くなる可能性があります。
割合的には全国平均と比べるとやや低めですが、将来推計でも、高齢化率は今後も上昇すると見込まれており、2043年ごろには約3人に1人が65歳以上になると予測され、少子高齢化は確実に進行していく見通しです。

立川市の独居高齢者の割合

最新の具体的な立川市の高齢者の「独居（単身）割合」についての公式最新年次統計は次のような傾向・数値が確認されています。

立川市における65歳以上高齢者の独居割合（過去の国勢調査データ）

国勢調査等の資料によれば、平成12年（2000年）の時点で立川市の65歳以上高齢者に占める「一人暮らし高齢者」の割合は約18.9％でした。これは東京都全体（20.3％）よりやや低く、多摩26市平均（15.6％）より高い水準でした。

直近の市計画資料による傾向

立川市の最近の地域福祉計画等では、「高齢者人口の増加に伴い、65歳以上の高齢者のうち約4人に1人が一人暮らしの世帯（単独世帯）になっている」との推計が示されています。
平成12年時点のデータでは、立川市の高齢者の一人暮らし割合は約18.9％だった。（高齢者人口に占める割合） 最近の市計画では、「高齢者の約4人に1人が独居の高齢者世帯である」と記載されている。 この数値は全国平均や東京都平均と比較すると、大都市圏（東京23区など）よりやや低い可能性があるが、多摩地域の中核都市として高齢化に伴う独居高齢者の増加が進んでいることを示している。

立川市の独居高齢者孤独死問題への対策

立川市では、高齢者の独居や孤立、孤独死のリスクに対応するための多様な自治体施策や地域の支援が進められています。市の高齢者支援の枠組みは、生活の安全確保・見守り・社会参加の促進・相談支援といった多面的な取組で構成されています。

1. あんしん見守り支援（見守り機器の助成）
立川市は、70歳以上の一人暮らし高齢者などを対象に、「あんしん見守り機器」の設置費を一部助成する制度を実施しています。これは、自宅で生活する中で緊急時に家族や知人に通報が可能なシステムで、万が一の危険や体調不良の早期発見につながる仕組みです。緊急通報や異常検知型の機器を導入する際の費用負担が軽減されることで、見守りのハードルを下げています。

2. 地域包括支援センターと相談窓口
立川市内には複数の地域包括支援センターが設置されており、独居高齢者やその家族に対して日常生活・介護・福祉サービスや相談支援を提供しています。孤立や生活不安に直面した高齢者が、早期に支援につながるための「相談窓口」です。

3. 地域のつながりづくり・生きがい支援
孤独や孤立の防止には、地域住民同士の関係性強化と社会参加の機会づくりが欠かせません。立川市や立川市社会福祉協議会では、様々な交流サロンや支えあい活動が運営されており、高齢者同士や地域住民とのつながりを深める場が提供されています。こうした「居場所づくり」によって、日頃からのコミュニケーションが生まれ、異変にも早期に気づきやすくなります。

4. 自殺対策・包括支援計画への位置づけ
立川市の自殺総合対策計画では、「高齢者の孤立や介護負担、生活困窮が生きづらさやリスクにつながる」として、高齢者本人だけでなく支援者・家族を含めた支援強化が掲げられています。また、高齢者が生きがいと役割を感じられる居場所づくりの推進や、地域で接触機会のある支援者がリスクに早期に気づけるようにする取り組みに力を入れています。

自治体対策のポイント
ハード面（見守り機器助成）：緊急時の通報や異変検知につなげる導入支援
ソフト面（相談・支援窓口）：地域包括支援センター等による寄り添い支援
コミュニティづくり：サロン・交流事業など、孤立防止の場づくり
総合的支援計画への組み込み：自殺対策計画にも位置づけられ、予防的視点での支援強化

こうした施策は、単独で孤独死を予防するものではなく「生活全般の不安の軽減」「異変の早期発見」「地域での見守りネットワーク形成」を通じて、孤立や孤独死のリスクを下げる総合的な取り組みといえます。

立川市が行う高齢者支援の取り組み

立川市が実際に行っている高齢者支援の取り組みは、暮らしの安心確保・健康増進・社会参加・介護支援など多岐にわたっています。

総合相談と支援 ― 地域包括支援センター

立川市では、高齢者やその家族が「住み慣れた地域で安心して暮らせるように」地域包括支援センターを各地区に設置しています。ここでは、介護保険や医療・福祉サービスについての相談対応、介護予防の計画づくり、権利擁護（虐待防止・成年後見支援・消費者被害対策など）、地域の見守りネットワーク構築まで、幅広い支援が受けられます。専門職スタッフが相談に乗り、関係機関と連携して継続的に支援します。

介護保険サービスの提供

立川市では、介護保険制度を通じて高齢者が利用できる様々なサービスが整備されています。訪問介護や訪問看護、通所介護（デイサービス）、訪問リハビリ、夜間対応型サービスなど在宅生活を支える制度が提供されています。また、要支援の認定者向けに専門職による介護予防プログラム（体操・リハビリ等）も行われています。

保健・介護予防の一体的な取組

健康寿命を延ばし、介護が必要になるリスクを抑える目的で、立川市は高齢者の保健事業と介護予防を一体的に実施する事業を進めています。フレイル（加齢に伴う心身の機能低下）の進行を防ぐため、医療・健康データを活用して支援するとともに、通いの場などでの支援を組み合わせています。

地域での居場所づくりと社会参加支援

市内には多様な「通いの場」やサロンがあり、高齢者が気軽に集い、交流したり体を動かしたりする機会が提供されています。こうした居場所は、孤立予防だけでなく仲間づくり・生きがいづくりにつながっています。また、自治体だけでなく、老人クラブ連合会などの地域団体によるスポーツ・交流イベントも活発に展開されています。

シルバー人材センターによる働く機会提供

立川市では、公益社団法人「立川市シルバー人材センター」が、高齢者の就業機会提供や社会奉仕活動を担っています。60歳以上の高齢者が希望する仕事を登録し、就業や講習、社会参加の場を提供することで、生きがいづくりや仲間づくりを支援しています。

高齢者福祉・介護計画に基づく施策体系

市全体の高齢者支援は、「立川市高齢者福祉介護計画（令和6年度〜令和8年度）」に基づき、市民のニーズを調査・反映した上で介護保険サービスや福祉施策を体系的に進めています。この計画では、地域包括ケアシステムの深化・推進や高齢者の暮らしを支える総合的な福祉提供が掲げられています。

立川市の高齢者支援は、単に介護提供にとどまらず、生活全般の支援・健康維持・社会参加・相談支援・権利擁護まで含めた地域包括ケアを軸にしています。自治体の制度と地域社会の連携によって、住み慣れた地域で生活を続けられるよう多面的なアプローチが進められているのが特徴です。

立川市の高齢者向け福祉

立川市が行っている高齢者向け福祉サービスは、日常生活の支援から介護、健康・社会参加の支援まで幅広く整備されています。市の公式ページや社会福祉協議会の情報を基に、主要な支援内容をご紹介します。

・総合的な相談と支援（地域包括支援センター）
立川市内には複数の地域包括支援センターが設置されており、高齢者やその家族が介護保険・福祉サービス・医療・生活支援について総合的に相談できる窓口になっています。ここでは、介護保険申請や利用手続きのサポート、生活の不安や悩みへの相談、介護用品の紹介・説明などを行っています。専門職スタッフが継続的に支援する体制です。

・在宅生活支援サービス
立川市では、高齢者ができるだけ住み慣れた自宅で暮らし続けられるように、介護保険制度を通じたさまざまな在宅サービスが利用できます。訪問介護（ホームヘルプ）、訪問看護、通所介護（デイサービス）、リハビリ支援などがあり、日常生活の援助から身体介護まで幅広く対応します。これらは要支援・要介護認定を受けたうえで利用できます。

・高齢者等配食サービス
買い物や調理が難しい高齢者に対し、栄養バランスの取れた食事を届ける配食サービスを実施しています。このサービスは、安否確認も兼ねており、独り暮らしの高齢者の見守りにもつながる制度です。利用には申請が必要で、地域包括支援センターや高齢政策課が窓口になります。

・住まいと入所施設の選択肢
立川市では、将来的に在宅が難しくなった場合に備えて複数の高齢者向けの住まい・施設の情報を案内しています。 介護保険施設：特別養護老人ホームや介護老人保健施設など、介護が必要な方向けの介護施設。 有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅：自立・要介護まで幅広く対応する住まい。 地域密着型サービス付き住宅：市内住民向けの小規模・身近な住まいの形態も紹介されています。

・地域の福祉団体による支援
立川市社会福祉協議会では訪問介護や通所介護（デイサービス）をはじめ、高齢者向けの相談支援や介護支援事業も行っています。これは、地域の社会福祉法人が市と連携して提供しているサービスで、高齢者の日常生活を支える役割を担っています。

・介護予防と健康づくり
介護予防事業として、体操教室や健康教室など高齢者が介護状態になりにくくする取り組みも市の福祉施策に含まれています。また、介護に関する出前講座や啓発活動などを通じて、地域住民が支え合う仕組みの形成も進めています。

◎ ポイント

相談支援（包括支援センター）：福祉・介護・暮らしのトータル相談窓口
在宅支援（訪問・通所サービス）：介護保険を活用した日常支援
配食サービス：安否確認と栄養支援
住まい・入所施設案内：選択肢としての住まい情報提供
地域団体の連携支援：社会福祉協議会による訪問・デイサービス
介護予防・健康促進：高齢者の自立支援施策

立川市の高齢者福祉は、生活支援・介護支援・社会参加促進・健康づくりまで幅広く整備されていて、住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるような地域包括ケアの実現が進められています。必要に応じて、各サービスの対象や申請方法について担当窓口までお問い合わせください。

立川市の 東京26市中核都市としての高齢者福祉取り組み実践

東京都多摩地域に位置する立川市は、東京26市の中でも高齢化が進む都市特性を踏まえ、福祉施策の充実と地域包括ケアの推進に力を入れています。高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、立川市は相談支援、生活支援、健康づくり、社会参加支援の４つの軸を中心に包括的な福祉サービスを展開しています。

地域包括支援センターを市内各地域に配置し、高齢者やその家族から介護・福祉・生活全般の相談を一元的に受ける体制を整えています。専門職スタッフによる継続的な支援を通じて、介護予防、権利擁護、見守り支援といった多角的なサポートが提供されています。

在宅生活支援としては、訪問介護、通所介護（デイサービス）、訪問看護・リハビリなどの介護保険サービスが充実しており、要支援・要介護状態でも自宅での暮らしを続けられるよう支援が進められています。また、栄養バランスの取れた食事を届ける配食サービスや安否確認の役割を果たす見守り機器の助成制度など、生活全般の安心感を高める取り組みも実施されています。

高齢者の健康維持・介護予防を目的とした体操教室や健康講座などのプログラムが提供され、フレイル（加齢による心身機能低下）の予防につなげています。これらは、健康寿命を延ばすとともに、介護状態になるリスクの軽減を図る重要な施策です。

立川市では、高齢者が地域の中で役割を持ち、社会とつながり続けることにも注力しています。老人クラブや交流サロンなど多様な居場所づくりが推進されており、生きがいや仲間づくりの機会を創出しています。併せてシルバー人材センターによる就業支援は、高齢者の社会参加を促し、生活の充実につながっています。

立川市の高齢者福祉は、単体の施策の積み上げではなく、「生活支援･医療･介護･地域社会のつながり」を一体化した地域包括ケアとして展開されているのが特徴です。多摩地域の中核都市として、立川市は住民一人ひとりが安心して暮らせる福祉社会の実現に向け、きめ細やかな取り組みを進めています。

立川市の高齢者支援の取り組みまとめ

総合相談・生活支援の窓口 ― 地域包括支援センター
立川市内には複数の「地域包括支援センター」があり、高齢者本人やその家族から介護保険、福祉サービス、医療、生活全般の相談を一元的に受け付けています。
専門職（保健師・社会福祉士・ケアマネジャー等）が相談に応じ、関係機関との連携支援や、権利擁護・虐待防止・見守りネットワークづくりなどを進めています。これにより高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる基盤が整えられています。

在宅生活支援・介護保険サービス
介護保険制度を活用して、要支援・要介護認定を受けた高齢者向けにさまざまなサービスが提供されています。具体的には：
・訪問介護・訪問入浴・訪問看護・訪問リハビリなどの訪問型サービス
・通所介護（デイサービス）、認知症対応型通所介護、通所リハビリ
・短期入所（ショートステイ）、小規模多機能型居宅介護など
・介護予防に向けた訪問型・通所型サービス
といった支援があり、在宅での生活継続を支える体制が整っています。

介護予防・健康づくりの取り組み
高齢者が介護状態に進行しないようにするための予防事業にも力を入れています。健康維持やフレイル（老化による心身機能低下）予防を目的とし、保健事業と介護予防を一体的に実施する取り組みが進められています。また、専門職の支援や通いの場での体操・講座などを組み合わせることで、日常生活機能の維持・向上を目指しています。

生きがい･社会参加支援
高齢者が地域で交流したり役割を持つ機会を増やす取り組みも展開されています。市内の老人クラブでは運動会や講座、健康促進活動、スマートフォン教室など多様な活動が行われ、高齢者同士や地域住民とのつながりをつくる場になっています。こうした活動は孤立の予防や生きがいづくりにつながります。

シルバー人材センターによる就業・社会参加支援
立川市のシルバー人材センターは、60歳以上の高齢者が働く機会を得たり、地域貢献活動に参加する場を提供しています。就業や講習を通じて生きがいや仲間づくりを促進し、高齢者が社会とつながって暮らしやすくなるよう支援しています。

高齢者福祉・介護計画による体系的支援
立川市は「高齢者福祉介護計画（令和6年度〜令和8年度）」を策定し、地域包括ケアシステムの深化や介護保険サービスの充実を進めています。福祉・介護サービスを長期的に整備・推進することで、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせる環境づくりを進めています。

立川市の高齢者支援は、単に介護を提供するだけでなく、次のような観点で包括的に進められています。
・安心して暮らし続けられる生活支援
・在宅での自立支援と介護予防
・健康づくりと機能維持
・地域社会への参加と交流
・相談･権利擁護の総合支援体制

こうした施策は、地域包括ケアの考え方に基づき、高齢者が住み慣れた地域で生活の質を高めながら暮らしていくことを目指しています。

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