各種見守りサービスのメリットとデメリット│見守りサービスの比較と選び方のポイント

2022-08-09

サービスのメリットデメリット

離れて暮らす家族が心配

昨今、高齢者の一人暮らしや高齢夫婦のふたり暮らしが増えています。都市部ではさらにその傾向が強く、今後も増加が見込まれています。収入の減少や土地環境問題から二世帯住宅が減り、65歳以上の58.9%※が高齢者のみで生活しているというデータも。
親が高齢で離れて暮らすのは、とても心配です。安否確認のために毎日訪問したり電話をするのもお互いに負担が大きく、なかなかできないかたも多いのではないでしょうか。

※令和元年版高齢社会白書(全体版)より「65歳以上の者のいる世帯数及び構成割合(世帯構造別) 全世帯に占める65歳以上の者がいる世帯の割合(単独世帯+夫婦のみの世帯)」


【関連記事】 介護や支援を必要としない健康な高齢者の見守りサービスはボタン型が使いやすい?

【親と暮らす。離れて暮らす。子世帯の役割とは】

すぐに会いに行けない距離に住む高齢ご家族の毎日を、今と変わらぬ生活のまま見守る。
介護まではまだ必要ではないけれど、遠方に住んでいる場合は、新型コロナウィルスも心配でなかなか会いに行けないなどの事情を抱えているかたも多いと思います。そんな状況をサポートするのが「高齢者見守りサービス」です。
センサー型や訪問型、カメラ型アプリ型などサービスの種類は様々、一概にメリット・デメリットは比較しづらく、見守られるかたの状態や環境によっても変わってきます。その為、価格も含めてご自身の状況に合うサービスを選ぶ事が大切になります。
ここでは、高齢ご家族向けの見守りサービスについて解説していきます。

目次

  • 見守りサービスとは
  • 見守りサービスを検討される方の特徴
  • 見守りサービスを選ぶ際のポイント
  • タイプ別見守りサービスのメリット、デメリット
  • 【第三者の介入がある駆けつけ型】
  • 【第三者の介入がないカメラ型】
  • 【センサー型】
  • 【訪問型】
  • 【自治体によるサービス型】
  • まとめ

見守りサービスとは

高齢者は家庭内での事故が多くなっており、高齢者の事故のうち77.1%(※出典は図内参照)が住宅内で発生していると言われています。

高齢者の家庭内事故グラフ

同居して見守りたいけど、仕事や家庭の都合でなかなか難しい。同居をしていても日中、仕事で高齢者が家で一人になる。そんな高齢家族を見守りたいというニーズに応えた「見守りサービス」。今は種類や内容は多様化し、いろいろな選択ができるようになりました。

見守りサービスを検討される方の特徴

  • 離れて暮らす高齢の親が心配
  • 日中はデイサービスで安心だけど夜間が気がかり
  • まだまだ元気だけど万が一何かあったら…と不安
  • 他県に住んでいるひとり暮らしの母親が元気に生活しているか知りたい
  • フルタイムで働いているため昼間は親がひとりきり…倒れていないか気になる
  • 家庭の都合により頻繁に会いにいけない、高齢の両親が心配
  • 現在の見守りサービスが高額な為、他のサービスを検討している
  • 電話やメール、ライン等活用して見守りをしているが、なかなか毎日のように行うのは困難

見守りサービスを選ぶ際のポイント

1、操作が簡単なこと

画面操作が直感的で分かりやすい、物理ボタンで押しやすいなど長く使う上で操作性は重要です。また工事不要で置くだけ、到着と同時に使えるなど、手続きが楽なことも大切。

2、費用で選ぶこと

見守りサービスは介護保険外のサービスで、基本的に全額自己負担となります。しかし最近では補助金、助成金が使えるものもあるので、ぜひ自治体に確認をしてみてください。
初期費用、月額費用、緊急時のオプションはいくら必要なのかなどサービス内容と予算を合わせて検討してください。

【関連記事】 無料で使える見守りサービスや安否確認アプリをご紹介。見守りをはじめるならこれ。

3、ご両親の状況に合わせて選ぶこと

自由に歩けるか、普段介護サービスは利用しているかなど、24時間の見守りが必要なのか、半日の12時間でOKか、緊急時のときだけでいいのかなど、第三者の訪問が必要か、どんな状況でどんなサポートが必要なのかを考えてサービスを選ぶ必要があります。

 → 見守りサービスの種類と比較はこちら

【タイプ別】見守りサービスのメリット・デメリット


【第三者の介入がある駆けつけ訪問型】 ボタンを押せば緊急通報サービスによって警備員が駆け付けてくれるシステム。
24時間健康相談に対応していて体調不良のときも安心。セキュリティ会社がサービス展開しているケースが多いタイプです。

メリット

大手セキュリティ会社がサービス提供していることが多く信頼感があります。緊急時の緊急通報により警備員の駆け付けや安否確認、健康相談など複合的なサービスを24時間の見守り体制で受けることができます。夜間転倒してしまった場合もボタンひとつで駆けつけてくれるので安心。

デメリット

ホームセキュリティを導入している家庭では比較的導入しやすいですが、費用が高額な場合が多いです。利用者が「体調が悪いな」と思ったときにボタンを押さないと緊急通報できず、とっさの時に間に合わない可能性もあるのがデメリットでしょう。

こんな方にオススメ

・比較的経済的に余裕があり、第三者の訪問に抵抗がなく、持病や在宅医療中などで健康管理が必要な方。

【第三者の介入がないカメラ型】

室内にカメラを設置し、離れた家族に日常生活の様子を映像で確認できます。
離れていてもリアルタイムで状況を確認。検知前後が録画できるものも多いため、いざというときに病院での状況説明にも有効です。
また映像での確認や会話機能によって離れたご家族と対話でコミュニケーションをとることもできます。基本的には見守る側が情報を取得するアクションを起こさないと見守れない仕組みとなり、その分の労力がかかります。
センサーとセットになっているサービスもありますので、不安な場合はセンサー付きを選択すると良いでしょう。

メリット

室内にカメラを設置するだけなので手軽に導入できます。リアルタイムでの状況や録画機能により過去の行動を確認でき、家族が目で見て確認できるという点がメリットです。スマートフォンだけでなく、パソコンやタブレットなど様々なデバイスで対応できます。

デメリット

カメラ型の一番のデメリットはプライバシーの問題です。「いつも監視されているようで嫌だ」と、利用者本人が拒否し導入できないケースが多いようです。

こんな方にオススメ

・顔を見て話しがしたい方や、同居のご家族を介護していて、ちょっとしたお出かけがしにくい方。

高齢者のセンサーでの見守り

【センサー型】

人感センサーを設置することで、生活状況をセンサーで自動チェックしてくれます。
利用者の動きをチェックできないときは自動で家族に知らせてくれます。室内に設置するタイプ、ドアに設置するタイプなどがあります。センサー型は、インターネットを利用するタイプと利用しないタイプに分かれます。

メリット

24時間365日、利用者の生活リズムを乱すことなく見守りできるため緊急時だけでなく、普段の見守りも可能で異変の早期発見に対応しています。カメラ型と違い、見守られる側のプライバシーも守られるため導入を拒まれることが比較的少なく、生活に合わせた見守りができます。

デメリット

機械を通じたコミュニケーションができません。顔色や話し方の変化(声のかすれ、呂律が回っていないなど)、声のトーンなど身体の異変は感知できないため、比較的自立度の高い高齢者の見守り、情報収集に特化しています。また、外出等生活のリズムの変化やイレギュラーに対応できない場合もあります。

こんな方にオススメ

・意思の疎通がしにくい方の見守りや、比較的アクティブな高齢者の見守りをする方。

訪問型高齢者見守りサービス

【訪問型】

地域の専任スタッフが高齢者の自宅を訪問し安否確認するタイプ。
自宅へ直接訪問し、あらかじめ決められた質問項目(体調や食事状況など)や相談を聞き、結果をメールや郵送で報告してくれます。
また、配食サービスとともに安否・状況確認を行ってくれる見守りサービスもあります。

メリット

直接訪問してくれるということが最大のメリットです。
郵便局員や配送業者など、地域に密着した企業の専任スタッフが安否確認してくれる安心感があります。利用者本人にとってコミュニケーションのひとつとなり、孤独の解消につながります。

デメリット

定期訪問のため、日常的な見守りや緊急時の対応には向いていません。また、見守りに特化した専門スタッフではなく、あくまでも郵便局、配送サービスの延長としての見守りサービスとなります。専門知識がないため、利用者のちょっとした変化に気づきにくいというデメリットもあります。
人の訪問を嫌がる、人間関係が煩わしいと思う利用者には導入しにくい見守りサービスだと思います。

こんな方にオススメ

・見守られるご家族の居住地があまり地域交流のない方、日常的に人と会話をしたい方、月に数回の見守りで良い方

【アプリ型】

ご家族同士で負担を最小限にしながら日常的に安否確認を行うタイプ。毎日の健康管理だけでなく、災害などの緊急時でも繋がりやすいので電話が利用不可の場合でも状況把握が可能。通知に返信するだけのシンプル設計のものが多く、家族間でのやり取りだけで完結できます。

メリット

使いやすさ、導入のしやすさ、月々の負担の少なさが最大のメリット。スマホにアプリをインストールし、見守られる側がボタン一つで返信、見守る側が確認と利用もシンプル。事前の設定も簡単。また画面表示も高齢者が操作しやすいものが多く導入が楽。
使いやすく、必要なものもスマホだけなので導入も簡単。

デメリット

見守られる側からの返信がなかった場合、見守る側がチェックをしていないと見落としてしまいます。定形文のみの返信などが多く、操作性は簡単で使いやすいですがコミュニケーションを求める方には物足りなさを感じるサービスかもしれません。
慣れてくると惰性で返信するようになってしまう危険も。

こんな方にオススメ

・介護や見守りなどで負担をかけたくないと思っているご家族の見守り、すでにスマートフォンをお持ちの方

【自治体によるサービス型】

自治体によってもさまざまな見守りサービスを提供しています。 地域住民や企業と連携しての訪問など、見守りたい高齢者がお住まいの地域に見守りサービスがあるのか確認してみましょう。

千葉県佐倉市の例をご紹介します。

●千葉県佐倉市「高齢者見守り協力事業者ネットワーク事業」 千葉県佐倉市では、「高齢者見守り協力事業者ネットワーク事業」という取り組みを行っており、協力事業者が「郵便物が長期間たまっている」「いつもと様子が違う」などの異変がないか見守りをしています。
何か異常があった場合には、警察・消防、地域包括支援センター、市の高齢者福祉課に連絡がいきます。
この他に、電話回線を使用した見守りロボット、担当者が定期的に電話をかけ安否確認を行う会話型、見守り機能のついた家電タイプなどがあります。

メリット

自治体が関わっているため、助成金が使えるなど費用負担が少なく、また自治体の他サービスを利用する際に情報を連携しやすいなどのメリットがあります。

デメリット

職員が直接、見守りを行うのではなく、協力者(地域住民、新聞・ガス・電気・水道・生協等の事業者)と組んで見守りを提供する他、地域で見守りネットワークを構築。見守り対象が「単身高齢者」「老老世帯」「日中独居高齢者」「夜間独居高齢者」「障がいや難病のある方」「急変の可能性のある持病を持つ方」「困窮世帯」など条件が付けられるため、対象にならない場合があります。
また自治体主体の場合、各自治体で予算が違うため居住地ごとに受けられる見守りサービスの質や範囲に差が出る。
※各自治体による見守りサービスについて、こちらの関連記事も参考にしてみてください。

こんな方にオススメ

・引っ越したばかりで居住地に知り合いがいない高齢者の方、地域交流のあまりない方

 → 見守りサービスの種類と比較はこちら

【まとめ】

高齢者の見守りサービスはそれぞれメリットとデメリットがあり、第三者の介入があっても駆けつけてもらいたいか、自分たちだけで見守りたいか、プライバシーは守りたいか、など、家族間での対話が大切です。また導入後の声掛けやコミュニケーションが見守りを良い状態で継続させ、コミュニケーションをスムーズにしてくれると思います。
見守りサービスピースアイなら工事不要のカメラを設置。第三者の介入なく家族だけで見守ることが出来ます。プライバシーを守りたいご両親の場合、カメラのふたを閉じて音声での対話のみでも利用可能。
家族の見守りは毎日のこと。見守る側にも見守られる側にも負担の少ないサービスを、ぜひ検討してみてください。


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