高齢者の一人暮らしはどのくらいで限界?発生する問題と解決支援サービスとは

2022-05-24

増加する高齢者の一人暮らし

近年、高齢者の一人暮らしは年々増加しています。子ども世代との別居や配偶者との死別などを背景に、「住み慣れた自宅でできるだけ自立して暮らしたい」と考える高齢者は少なくありません。
一方で、一人暮らしを続ける中で、本人も家族も気づかないうちに生活の負担や不安が積み重なっていくケースも多く見られます。

高齢者の一人暮らしに「明確な限界の年齢」があるわけではありません。しかし、多くの場合、限界は年齢ではなく生活の中に変化として表れます。
例えば、これまで問題なくできていた買い物や掃除が負担に感じるようになる、外出の回数が減る、転倒への不安から行動範囲が狭くなるなど、日常の小さな変化が積み重なることで、一人暮らしの継続が難しくなっていきます。
特に注意が必要なのは、本人が「まだ大丈夫」と感じている一方で、客観的にはリスクが高まっている状態です。このズレが、一人暮らしの限界を見えにくくしてしまいます。

ー高齢者がQOLを上げるために元気ないま必要なものとは?
ー制度や利用条件、申請方法など「介護保険」を徹底解説!


日本の高齢者人口の推移

内閣府の「令和2年版高齢社会白書」で、日本の総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は、1950年には総人口の5%を下回っていましたが、1970年に7%を超えて、1994年には14%を超え、2019年10月1日時点では28.4%と増加傾向にあります。

戦後〜現在の高齢者人口の推移(65歳以上)

1950〜2000年代:高齢化の始まり
1950年代:65歳以上人口は総人口の約 5%未満。戦後のベビーブーム後、まだ高齢化は浅い段階でした。
1985年:高齢化率は 10%超。人口構造の変化が徐々に進みました。
2005年:高齢化率は 20.2% と着実に上昇

2010年代〜2020年代:急速な高齢化
2019年:65歳以上の人口は約 3,588万人(28.4%) に達し、過去最高を更新。
2024〜2025年:65歳以上人口は 約3,624万人〜3,625万人 で、総人口の約 29.3%〜29.4% を占めています。これは統計開始以来の高い割合です。
現在、日本の高齢者は約 3,600万人前後 と非常に多く、人口全体のほぼ 3人に1人が65歳以上 という状況が続いています。

日本では総人口が減少する一方で、高齢者人口比率は上昇すると予測されています。
2030年代:高齢化率は 33%超 へと上昇すると推計されており、3人に1人以上が65歳以上 になる見込みです。
2045年ごろ:高齢化率は 36%超 に達すると予測されています(国立社会保障・人口問題研究所「将来推計人口」モデル)。
2060年頃:総人口減少がさらに進むと、人口に占める65歳以上比率が 40%近く に迫る可能性も指摘されています(長期推計)。
つまり、2.5人に1人が65歳以上という超高齢社会の到来が予想されています。

年齢構造の変化(65歳以上の内訳)

最新の人口推計(令和5年10月1日時点)によると
65〜74歳:約 1,615万人
75歳以上:約 2,008万人
→ 75歳以上の割合が65〜74歳を上回っています。
単に高齢者が増えるだけでなく、高齢層の高齢化(超高齢化)も進行中です。

一人暮らし高齢者の割合

「令和2年版高齢社会白書」では、65歳以上の高齢者のうち、一人暮らしをしている人の割合は、1980年には男性4.3%、女性11.2%、2015年になると男性13.3%、女性21.1%、高齢者の一人暮らしが大幅に増加しています。
この増加傾向は今後も変わらず、推計では2040年に男性20.8%、女性24.5%になると予測されています。


不安を抱える高齢者



一人暮らしの高齢者が抱える生活の問題点と限界

健康や病気への不安

病気にかかりやすくなったり、症状が慢性化しやすくなったりするなど、老化に伴う健康への不安が出てきます。頼れる家族が同居していない場合、病気やケガなど異常事態が起こったとき、自力で対処できるかが毎日のストレスとなります。

介護が必要な状態になる

これまで、一人暮らしで自立した生活を送ってきた高齢者にとって、人のサポートや介護費用が必要になる生活は、肉体的にも精神的にもかなり大きな負担です。
また、要介護状態になって家の中に引きこもりがちになると、人との交流機会が減り、生きがいの低下にもつながってしまいます。

地震や洪水など自然災害が発生する

日本は、地震や豪雨、台風、洪水といった自然災害の多い国です。「災害時に自分の力で対応できるだろうか」と今の生活に限界を感じる高齢者も多いようです。「一人暮らし高齢者に関する意識調査」でも、「自然災害(地震・洪水など)」の不安を感じている割合が29.1%ありました。

認知症が発症・進行する

認知症が発症しても、高齢者本人には自覚がないケースは少なくありません。
家族と同居していれば、日常の言動の変化から周りが認知症に気づくかもしれませんが、一人暮らしの場合は自覚のないまま症状が進行してしまうおそれがあります。

詐欺・犯罪に巻き込まれる

振り込め詐欺をはじめとする特殊詐欺や、悪質な手口で商品を売りつける悪質商法など、高齢者を狙った犯罪は年々増加傾向にあるといわれています。
警察庁「令和2年版警察白書」では、2019年中の特殊詐欺の認知件数と被害額は前年から減少していますが約8割の被害者が65歳以上の高齢者といった状況です。
また投資詐欺などのお金を集める悪質商法に関して、同年中に寄せられた相談のうち、全体の約4分の1が高齢者からのものでした。


高齢者が安心・安全に暮らすために必要なこと

高齢者が限界まで誰にも頼れない孤立状態になることを防ぎ、安心・安全に暮らすためには、どのようなことに目を向ける必要があるのでしょうか。
近年、医療や看護の現場で注目されている言葉に、「QOL」(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)があります。
「QOL」とは日常生活を送るための食事や排泄、入浴といった日常生活動作(ADL:アクティビティーズ・オブ・デイリー・リビング)を満たすだけでなく、人それぞれが感じる「自分らしく納得のいく生活」を目指す考え方です。
医療至上主義で「たとえ苦痛や心身のつらさがあっても、治療のためには、生活や人生が治療前のようにできなくなっても仕方がない」と考えられていた時代を経て、新たに提唱されています。

介護士と安心する高齢者

高齢者におけるQOLとは?

高齢者におけるQOL(Quality of Life/生活の質)とは、単に「長く生きること」ではなく、どれだけ自分らしく、安心して、満足感のある生活を送れているかを示す考え方です。健康状態だけでなく、心・人間関係・生活環境などを含めた総合的な状態を指します。

高齢者におけるQOLの基本的な考え方
高齢者のQOLは、次のような複数の要素で成り立っています。

  1. 身体的なQOL
    ・痛みや不調が少なく、日常生活を無理なく送れるか
    ・自分で歩く、食べる、身の回りのことができているか
    ・介護が必要でも「できること」を維持できているか

  2. 精神的なQOL
    ・不安や孤独感が少なく、安心して生活できているか
    ・「自分は大切にされている」「役割がある」と感じられるか
    ・将来に対して過度な不安を抱えていないか

  3. 社会的なQOL
    ・家族や友人、地域とのつながりがあるか
    ・誰かと会話する機会があり、孤立していないか
    ・必要なときに相談できる相手がいるか

  4. 生活環境のQOL
    ・住み慣れた自宅や地域で安心して暮らせているか
    ・転倒や事故のリスクが少ない環境か
    ・見守りや支援など、困ったときに頼れる仕組みがあるか



高齢者のQOLが低下するとどうなるか
QOLが低下すると、次のような連鎖が起こりやすくなります。
・不安や孤独感が強まり、外出や交流を避ける
・活動量が減り、筋力や認知機能が低下
・体調不良や転倒のリスクが高まる
・介護が必要になる時期が早まる

QOLの低下は介護リスクの増加と直結していると言えるのです。

高齢者のQOLを保つために大切なこと
高齢者のQOLを維持・向上させるためには、
「できないこと」を増やさない
「不安を一人で抱えさせない」
「自立した生活を見守りながら支える」

という視点が重要です。
その点で、見守りサービスは高齢者のQOL向上に大きく貢献します。
見守りがあることで「何かあっても気づいてもらえる」という安心感が生まれ、精神的な安定につながります。これは、身体機能の維持や生活意欲の向上にも良い影響を与えます。

高齢者におけるQOLとは、
「安全に」「安心して」「自分らしく」生活できているかどうかを示す指標です。
介護が必要かどうかだけで判断するのではなく、QOLの視点から生活環境や支援を整えることが、結果として介護予防にもつながります。


高齢者のQOLを左右する要素

  • 体力や認知力、日常生活動作(ADL)の向上といった健康状態
  • 所得や貯蓄、就労などの経済状態
  • 習い事や地域活動などの社会的活動
  • 安定した住まいや身近に頼れる人がいるなどの生活環境

    客観的に評価できる要素以外にも、その人らしい人生を楽しんでいるかどうか、充実感・幸福感といった主観的に評価される要素もあります。

高齢者のQOLを下げる要因

食生活の乱れや低栄養のほか、活動量や運動量の減少、過度の疲労やストレス、精神的に限界になっていないかは、高齢者のQOL低下につながります。
これらの要因は心身の健康状態に悪影響を及ぼし、人生における充実感や幸福感が得られにくくなってしまうのです。

必ずしも「同居=正解」ではない

高齢者の中には「住み慣れた家や地域を離れたくない」と考える人も多く、家族との同居が必ずしも本人の幸せにつながるとは限りません。
内閣府の「一人暮らし高齢者に関する意識調査」結果によれば、今後の生活について「今のまま一人暮らしでよい」と回答した高齢者が76.3%に上り、現状の生活に満足している人が多いことがうかがえます。本人の希望や生き方など、QOLを低下させない選択をすることが大切です。


一人暮らし高齢者をサポートする支援サービス

一人暮らし高齢者の安心・安全を支えるには、家族の努力だけでは難しいことがあります。民間企業や行政が提供するサービスや支援を、上手に活用しましょう。

介護サービス(介護保険制度で受けられるサービス)

訪問介護や訪問リハビリなどを利用すれば、週に何度か自宅で専門家のサポートを受けられます。通所介護であれば他人との交流が増え、生活の楽しみも増えることでしょう。
介護保険制度のサービスを受けるには、要介護認定の調査・判定が必要となるため、近くの地域包括支援センターや自治体窓口に相談しましょう。地域包括支援センターでは、ケアマネージャー、社会福祉士、保健師などが常駐し、それぞれ専門的な立場からサポートを行っています。

見守りサービス・安否確認サービス

民間企業や自治体が提供している見守りサービスや安否確認サービスも増えており、利用しやすくなってきています。
IT技術を活用してセンサーで室内を監視するシステムのほか、郵便局員や電気・水道の検針員が声かけをする訪問形式など、さまざまなサービスがあります。

ー70代80代の親が心配。普段の生活で家族が気を付けることとは。
ー60代、70代の親に向けたこれからの見守りサービスとは


高齢者世帯向けの食事配達サービス

食生活の乱れや低栄養も独居高齢者には起こりがち。
年齢とともに買い物や調理が困難になるケースも多く、高齢者に合わせた食事を自宅に配達してくれるサービスを利用すれば、負担なく栄養バランスの整った食事をとれるようになります。
宅配スタッフと直接顔を合わせることで、安否確認にもつながります。

各自治体による支援サービス

各自治体では、一人暮らしの高齢者が利用できる支援サービスを行っています。サービス内容は、安否確認や外出支援、金銭管理などさまざま。
例えば横浜市では、掃除や配食、草むしり、電球交換、買い物代行・同行など、日常の困りごとを民間事業者が手伝う「生活あんしんサポート事業」を実施しています(2020年10月現在)。
公的サービスではないため、利用者が代金を負担する必要はありますが、サービス提供時に利用者に異変があった場合は親族に連絡するなど、ゆるやかな見守り体制をとっています。


高齢者のサポート

ー無料で使える見守りサービスと安否確認アプリ、それぞれの特徴とメリットは?
ー老後の住み替え、孤独死に備える高齢者の住まい


支援サービスも活用して、高齢者が安心して暮らせる生活のサポートを

高齢者人口が増加している中、一人暮らしの高齢者が、いかに安心・安全に暮らすことができるのか、その取り組みは社会全体の課題といえます。
高齢者の一人暮らしには、加齢に伴う身体機能の低下をはじめ、災害発生時や犯罪予防の観点からも限界があり、行政や民間の支援が不可欠です。高齢者本人のQOL(生活の質)を低下させないためにも、本人の希望も考慮しながら上手に支援サービスを活用するのがおすすめです。


「毎日」知りたい家族のサイン。

見守りアプリ「ピースサイン」は「毎日の見守り」と「地震などのいざという時の安否確認」両方の機能を搭載した見守りサービスです。高齢者にも使いやすい直感的なUIだから、面倒な操作方法によるわずらわしさからの「使わずに放置」の心配もありません。

\ピースサインとは/
離れて暮らす家族の体調が「毎日」わかる見守りサービスです
◆毎日同じ時間に届く通知にタップでお返事するだけ
◆簡単操作で、テキストを打ったり電話が繋がらないなどの精神的ストレスを軽減します
◆スマートフォンで手軽に始められて、機器の購入もありません
◆地震などのいざという時でもボタンひとつで安否確認
◆いざという時(未応答時)はGPS機能で居場所がわかるので安心

ボタンひとつで安心を伝える「ピースサイン」で毎日に安心をプラスしてください。 親子の笑顔_ピースサインバナー.png

btn-appstoreミニ.png google-play-badgeミニ.png

「記事タイトル」の関連記事はこちら

関連タグ

ページトップへ