見守りサービス、高齢家族の状況に合わせて選ぶならどれ。 各見守りサービスのメリットとデメリット
2022-08-09■ ご家族の状況に合わせた見守りサービスの選び方
高齢の親が離れて暮らしている、また同居していても日中は一人になってしまうといった場合、その間の親の生活や日常の行動に問題がないか家族は気になるものです。
そんなときに便利なのが「高齢者の見守りサービス」です。ご家族は離れた場所からでも親の日々の様子を見守ることができ、支援が必要な場合には早期に対応することが可能です。
高齢者向けの見守りサービスの種類や選び方、見守りにおけるICTの活用方法について解説いたします。各サービスを比較し、ぜひ見守りサービスご検討の参考にしてください。
■親が自立している、一人暮らしでも不安がない場合のおすすめ
◎ 会話・コミュニケーション型(訪問、宅配安否確認、電話、メールなど)
・サービスの概要
直接訪問による見守りサービスを行っている会社と契約することにより、スタッフが定期的に利用者宅を訪問して生活状況を確認し、その結果を家族へ通知するサービスです。
たとえば日本郵便が提供する「みまもり訪問サービス」などが有名です。
・価格感
安否確認を主とした対面重視のサービスの場合は費用が高くなりますが、宅配サービスとのセットで安否確認など、別のサービスとの組み合わせにより費用を抑えることができます。
・メリットとデメリット
《メリット》
(見守られるご家族)安否確認だけでなく、生活状況までスタッフが確認してくれます。誰かと会話をすることで社会ともつながりを感じることができ、精神面でのフォローにもなります。
(見守るご家族)定期的に面会してくれることで利用者との信頼関係も構築され、家族も安心してお任せすることができます。
《デメリット》
(見守られるご家族)訪問の日時が決まっているので予定を立てる際には配慮しなければなりません。また、対人になるのでスタッフの相性の良し悪しがあります。
(見守るご家族)訪問の日時が決まっているので、利用者が急変した際にすぐに家族へ連絡がくるとは限りません。
■介護度合いが低いか、または中程度で、一人暮らしに少し不安がある場合におすすめ
◎カメラ型
・サービスの概要
利用者の家にネットワークカメラを設置して、離れて暮らす家族が家の様子をカメラで確認し、利用者の生活を見守るサービスです。
たとえばPanasonic「ホームネットワーク システム」が有名です。
・価格感
業者との契約は不要。機器を購入して設置、見守るご家族のスマートフォンにアプリをダウンロードして設定するだけ。機器購入後は月々のサービス利用料がかからないので、費用負担を抑えて利用が開始できます(インターネット回線使用料、パケット通信料は発生します)。
・メリットとデメリット
《メリット》
(見守られるご家族)常時、映像がご家族につながっているため、安心して日常生活を送ることができます。
(見守るご家族)離れて暮らすご家族がリアルタイムで利用者の様子をパソコンやスマートフォンで映像として確認することができます。
《デメリット》
(見守られるご家族)Wi-Fi(ワイファイ)環境が整備されていなければ使用することができないものがあります。ご利用者の「自宅の映像」という極めて重要な個人情報を取り扱うため、導入に関しては十分な検討とご家族との話し合いが必要となります。
(見守るご家族)ネットワークを介すことになるので、見守るご家族が所有するスマートフォンなどの通信機器のセキュリティーは十分な対策を講じる必要があります。
各種見守りサービスの比較について、こちらの関連記事も参考にしてみてください。
◎センサー型
・サービスの概要
利用者の日常生活の動線となるエリアにセンサーを設置し、センサーが一定時間感知しない場合に、警備会社や家族などに通報するシステムです。
代表的なサービスではセコムの「親の見守りプラン」はご存じのかたも多いのではないでしょうか。
・価格感
家庭内における生活動線すべてに機器を設置することになると費用がかかります。逆に必要最小限度に台数を抑えると費用も安くなりますが対応が不十分になる恐れがあります。おうちの構造やご家族の生活環境に応じて適切な台数をご検討ください。
・メリットとデメリット
《メリット》
(見守られるご家族)室内にシステムが設置されますが、センサー感知のみなのでプライバシーに配慮した仕組みとなっています。見張られている、監視されているといったストレスを受けずに日常生活を送ることができます。
(見守るご家族)自動的に家族に通報されるシステムなので、ご家族の体調急変時でも早期に気づくことができます。
《デメリット》
(見守られるご家族)Wi-Fi環境がないとご利用が難しい場合があります。
(見守るご家族)センサーが感知しない場合に家族へ通知がいくので、必ずしも何か異変が生じているとは限りません。警備会社との契約の場合、警備会社がまずご両親に確認してから家族に連絡する仕組みとなっていますが、そうでない場合は誤報となる場合も少なくないかもしれません。
■介護度合いが重く、一人暮らしにかなり不安を感じる場合におすすめ
◎緊急通報型
・サービスの概要
利用者が心身の状態に異常を感じた際に、身に着けている機械のボタンを押すことで家族や警備会社などに通報されるシステムです。
たとえばALSOK「まもるっく」をご存じの方も多いのではないでしょうか。
・価格感
利用前に大きな工事の必要がなく、機器1つで導入できる気軽さがあり単価もそれほど高くはない印象です。
・メリットとデメリット
《メリット》
(見守られるご家族)「まもるっく」の場合、ボタンを押すだけで、警備会社への連絡、家族への連絡を行ってくれ、警備会社からの折り返しの連絡も同じ機器にかかってくるので、機器1つで一通りの安否確認動作を行うことができます。
(見守るご家族)急変時にボタンを押すことになっているので、誤報が少なくボタンが押された際は急変時の連絡としてすぐに行動することができます(万が一、誤報の場合は警備会社がすぐに連絡をくれます)
《デメリット》
(見守られるご家族)ボタンを押さなければ急変を知らせることができません。また、機器の電池が切れていることもあり、こまめな充電も必要となります。
(見守るご家族)上記と同様に利用者がボタンを押さなければ急変を知らせることができません。確実な安全の確保のためにはもう1つ別のシステムを導入するなどの対応が必要です。
■選び方まとめ
見守りサービスに一番大切なことは「見守られる高齢ご家族の意向や要望を尊重する」ことです。
家族を危険から守りたい気持ちが見守る側の一方的なものにならないよう、どのような見守りを希望するのか、どのようなサービスなら抵抗なく受け入れられるのか、早めに話し合っておくことが大切です。
・ご本人の健康状態や性格、目的を考慮する
どのような見守りが必要かは、親御様の健康状態によって違います。要介護度や持病など心身の状態をふまえ、目的に合った見守りサービスを利用しましょう。また、親の性格的に「カメラがあると落ち着かない」と感じるなど、特定のサービスを嫌がる場合もあります。本人が嫌悪感なく受け入れられる見守りサービスを選ぶことが大切です。
・費用、予算に合わせて選ぶ
「24時間対応」など安心を最優先にすると費用がかなり高額になる場合があります。あまりにお金をかけすぎると親御様が気を遣ってしまったり、経済的に継続が難しくなる場合もあります。長期的に利用するのを前提として無理のない範囲で利用できるサービスを見つけることが大切です。
・操作が簡単かどうかで選ぶ
難しい操作が必要なサービスだと「機器を設置したもののまったく使用されない...」といった状況も起こりかねません。高齢者でも無理なく操作できる機器を用いたサービスを選びましょう。
「記事タイトル」の関連記事はこちら
Peace Signが選ばれる理由
高齢の親と離れて暮らしていると、傷病発生、ヒートショック、熱中症、認知症など心配になる場面がたくさんあると思います。そんな時は見守りサービスの検討が必要です。数多く存在する見守りサービスの特徴と比較し、自分たちにあった見守りサービスを選ぶ事をおすすめします。「見守りサービスとは?」、スマートフォンアプリやセンサー設置するもの、人が訪問するものまで、わかりやすくご紹介します。またその中でアプリ型見守りサービス「ピースサイン」が選ばれている理由をお伝えいたします。
介護の前の見守りサービスとは|介護の見守り
2022-05-24
企業が提供する高齢者や要介護者、介護家族をサポートする見守りサービスは、第三者の駆け付けからアプリのみで完結するものまで多岐にわたっています。見守るご家族と見守られるご家族で「何を、どこまでできることが望ましいか」を日常的に話し合い、サービス内容や価格感など比較し、最適なサービスを選んで上手に活用してください。
高齢者の一人暮らしはどのくらいで限界?発生する問題と解決支援サービスとは
2022-05-24
病気や介護、災害など一人で対処の難しい状況になったときにだれでも利用できるサービスの提供と「つらくても治療を受けて病院で生きる」生活から「自分らしく納得のいく生活」を目指す「QOL」に目を向けたサービスの実現に各自治体と企業で取り組んでいます。