70代の原因不明の体調不良、不定愁訴で受診する時の伝え方とポイント

2026-10-19

病院の受診、「どう伝えればいいかわからない」が一番のハードル

病院に行ったほうがいいのかな、と思うのに、なかなか気が進まない。
70代になると、毎日なんとなく体調が良くない、だけど病院に行こうとしない、という方、多いですよね。今回は、うまく説明できないから病院に行きたくない、症状を説明するのが苦手、そんな人にこそ知ってほしい、受診時に気を付けるポイントについてお話しします。

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不定愁訴で受診すると、どうしても会話はこうなりがち

何時間も待って、やっと診察室に入ると、つい慌てて、
「原因は何ですか」
「どこが悪いですか」
「なんの病気ですか」
「検査は必要ですか」
と矢継ぎ早に聞いてしまいがち。

すると医師からの答えは、ほぼ決まって
「人によります」
「大きな異常はありません」
「様子を見ましょう」
になってしまうことも多いのではないでしょうか。

これ、原因はこの一方的な質問にあります。こちらからの伝え方が、
「なんとなくだるいです」
「ずっと調子が悪いです」
とかなり漠然としているため、原因は何か、どこが悪いのか、何の病気かと聞かれても、情報が粗すぎて評価不能になっている場合が少なくありません。

失敗するありがちな質問を「医師との会話」に変える

「質問」ではなく「会話」にすることで、医師からの説明も具体的になり、より安心できる回答を得られます。診察は“情報戦”です。特に不定愁訴の場合、正しい答えを引き出すというよりも「正しい材料を渡す」ほうが重要なのです。
診察室で次のポイントを意識してお話ししてみてください。

具体的な不調のタイミングを伝える

「朝だけ強くて、昼には少し戻ります」
「食後30分くらいで一気にだるくなります」
「寝る前に不安感が出ます」

具体的な不調のタイミングを伝えると得られる情報の質が変わります。
朝がつらいのか、食後に出るのか、夕方に崩れるのか、医師側も“動きのある不調”として捉えやすくなるので、血圧の変動や自律神経の関与といった話に踏み込みやすくなり、医者の頭の中で、“血圧変動”や“自律神経の関与”に仮説を立てることができます。

医療は基本的に、いつ、どの条件で、どう変わるか、で考えます。
だるい、つらい、しんどいといった漠然とした症状の提示ではなく「このタイミングでこうなります」「普段はこうで、こういう変わり方をします」と話すことで一気に診察が具体化するため、「異常なし」で終わる診察から一歩抜け出せます。


70代の不調は、原因を特定するよりパターンを“理解する”ほうが有効です。そのうえで、負荷を減らすのか 少し刺激を入れるのかを調整していくとよいでしょう。70代の不調は、「治すもの」というより、「扱い方を覚えるもの」に近い変化です。数値に出ないからこそ、放置するのではなく、感覚だけに頼るのでもなく、少し理解して、少し調整する。
それだけで、なんとなくつらい日は確実に減っていきます。


70代になると増えてくる、説明しにくい体調不良

70代になると、「明らかな病気ではないけれど、調子が良いとも言えない」という状態を感じる方が増えてきます。熱があるわけでもなく、強い痛みが続くわけでもない。それでも、以前と比べて体が重く感じたり、気力が湧かなかったりする日が増えてきます。
このような体調不良は、本人にとっては確かな不調である一方、周囲からは見えにくいという特徴があります。そのため、「年のせいだから仕方ない」「気にしすぎかもしれない」と自分の中で処理してしまいがちです。

しかし、こうした小さな不調こそ、70代の暮らしに大きく影響します。日常生活の質を下げ、不安を積み重ねる原因にもなります。


60代までとは違う、70代の体の変化

60代までは、多少無理をしても一晩休めば回復する感覚があったという方も多いでしょう。70代になると、その回復力に変化が出てきます。
たとえば、

・外出や用事の翌日に疲れが残る
・睡眠時間は足りているのに、日中眠い
・朝起きたときから体が重い
・だるさはあるのに夜なかなか眠れない

これらは老化の一部ではありますが、「当たり前」と片づけてしまうと、自分の体調の変化を見逃してしまいます。

ー70代80代の女性に多い「不定愁訴」と「睡眠障害」。対策とは
ー70代の女性に起こりやすい「季節の変わり目」の体調不良とは


70代に多い体調不良① 強い眠気・だるさ

70代で特に多いのが、日中の眠気や慢性的なだるさです。夜はそれなりに眠れている日でも午前中から頭がぼんやりしたり、集中力が続かなかったりすることも増えてきます。
原因として、

・睡眠の質の低下
・自律神経の乱れ
・日照時間の減少
・運動量の低下

などが重なっていることが多く、一つに特定するのが難しいのが特徴です。


70代に多い体調不良② ふらつき・めまい感

立ち上がったときや歩いているときに、「一瞬ふらっとする」「足元が心もとない」と感じることも、70代ではよく見られます。明確なめまいではなくても、こうした感覚があると外出を控えるようになり、活動量が減ってしまいます。その結果、体力が落ち、さらに不調を感じやすくなるという悪循環に陥ることもあります。

70代に多い体調不良③ 理由の分からない不安感

体の不調と同時に増えてくるのが、気持ちの不安定さです。特別な出来事があったわけでもないのに、漠然とした不安を感じたり、将来のことを考えて眠れなくなったりします。これは、体調の変化や生活リズムの変化が心にも影響を与えているためです。心と体は切り離せない関係にあり、どちらかの調子が崩れると、もう一方にも影響が出ます。


検査では異常が出ない「不定愁訴」という状態

こうした症状の多くは、病院で検査をしても「異常なし」と言われることがあります。この状態は「不定愁訴」と呼ばれ、70代に限らず多くの方が経験します。異常がないと言われると安心する反面、「ではこのつらさは何なのか」という疑問が残ります。その疑問を解消できないまま、不調と付き合い続けることになります。

一人暮らしの場合、体調不良を自分だけで判断しなければなりません。誰かに相談するほどではないと思い、つい我慢してしまうことも多くなります。また、「家族に心配をかけたくない」「まだ大丈夫だと思われたい」という気持ちから、不調を口に出さない方も少なくありません。
70代の体調不良に対して大切なのは、「すぐに治す」ことよりも、「自分の状態を知る」ことです。日によって体調に波があることを理解し、自分なりの基準を持つことが体調不良と上手につき合うために大切な視点です。
今日は動ける日なのか、無理をしない方がいい日なのか。そうした判断を自分でできるようになることが重要です。


自分で体調を把握するという考え方

最近では、日々の体調や生活リズムを自然に把握できる仕組みも増えています。毎日記録をつける必要はなく、普段通りの生活の中で体の変化に気づくことができます。これは誰かに監視されるものではなく、自分のために使うものです。体調を「感覚」だけでなく、「傾向」として知ることで、不安は大きく減ります。
体調不良に備えることは、不安を減らすこと。70代の体調不良は、突然大きな病気として現れるよりも、小さな違和感として続くことが多いものです。その違和感に振り回されないためには、事前の備えが役に立ちます。体調の変化に気づける仕組みがあるだけで、「何かあったらどうしよう」という不安を抱え込まずに済みます。

不調が深刻になってからでは、選べる対策は限られてしまいます。今は一人で暮らせていても、将来の安心を考えるなら、元気な今こそ準備を始めるタイミングです。体調不良を恐れるのではなく、上手につき合う。そのための一つの方法として、自分で自分を見守る「セルフ見守り」という考え方を知っておくとよいでしょう。
自分で体調管理することがこれからの暮らしを支える力になります。まずは、自分の体調に目を向けることから始めてみてください。それが70代の安心につながる第一歩です。

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